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(世界史)超わかりやすい周王朝 中国史

  皆さんこんにちはルリアゲハです。世界史で中国史を勉強していると周という王朝が出てきますよね。周って結構長くて覚えられないと悩んでいる方もいるかもしれません。

 そこで今回の記事では周王朝を超丁寧に解説していきます。この記事は

を押さえたい人におすすめです。

 周王朝とは

 周王朝は中国史で殷の後に中国を支配する王朝です。前後の王朝を図で表すとこうなります。

 

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ちなみに

  • 殷や秦はどんな王朝だったか
  • 国史全体の流れを知りたい

という方はこちらがおすすめです。

  周は前半の鎬京に都があった時代(西周)と後半の洛邑に都があった時代(東周)に分けられます。東周は春秋戦国時代があって周の権威が弱体化した時代です。

家族が大事 周の統治体制

 周は封建制で中国を統治しました。封建制というのは王が血縁者に土地を分け与えて統治させるシステムです。図で表すとこんな感じになります。

 

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土地を与えられた血縁者は諸侯となって世襲制で土地と民を統治しました。なので大きな家族で国をまとめたと言えますね。

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 周の支配層には卿・大夫・士(けい・たいふ・し)の三つの階級がありました。三階級とも王や諸侯の家臣です。支配層たちの中では家柄を重んじており、氏族(自分たちの父方の一族)を重視していました。氏族をまとめるために、家ごとに宗法というルールを作ります。

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遷都→春秋戦国時代

  しかし、前8世紀に周の都である鎬京は異民族から攻撃されます。その結果、東の洛邑に遷都しました。

 遷都をきっかけに諸侯たちは

 


f:id:ruriageha:20210110205211p:plain「異民族から逃げて遷都するなんて、周は情けない」

と思い始めた結果、起こったのは周の権威の低下です。

 その後長く続く混乱と分裂の時代、春秋戦国時代が始まります。ここでは春秋時代と戦国時代に分けて見ていきましょう。

王を守ろう 春秋時代

  春秋時代最も強い諸侯(覇者)を決めるため争った時代です。”春秋”というのは孔子の歴史書『春秋』から名付けられます。

尊王攘夷(外国勢力を追い払って王を守ろう)を名目に覇者の座を争ったので、この時点では周王は尊ばれていました。

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 また、春秋時代の有力な覇者を春秋五覇と呼びます。春秋五覇

斉・晋・楚・呉・越(せい・しん・そ・ご・えつ)の五つの国です。

王になろう 戦国時代

  戦国時代それぞれの諸侯が王を自称して、中国を統一のため争う時代です。最有力の覇者晋が家臣に乗っ取られたが戦国時代になるきっかけでした。乗っ取られた晋は

韓・魏・趙(かん・ぎ・ちょう)の三つに分裂します。

 そうして、下克上(立場が下の者が上の者を打ち倒す)という風潮ができたのです。

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なんだか日本史の戦国時代のようですね。ちなみに日本史の戦国時代は周の戦国時代から名付けられます。

 春秋時代では一応尊ばれていた周王は、戦国時代になると完全に無視されました。国力を高めて、強国となったのは戦国の七雄でした。戦国の七雄は

秦・斉・燕・楚・韓・魏・趙(しん・せい・えん・そ・かん・ぎ・ちょう)

という国です。

 最終的に、国力を上げることに成功した秦が中国を統一しました。周は秦によって滅亡します。

社会の変化

 分裂と混乱の時代だった春秋戦国時代には、多くの変化がありました。どんな変化があったかというと

  • 農業生産力向上→氏族の力が弱体化
  • 青銅貨幣による商業の発展
  • 諸子百家が活躍

です。

農業生産力向上→氏族の力が弱体化

 一つ目の農業生産力向上は、鉄製農具が農業に使われるようになったからでした。頑丈な鉄製農具と力の強い牛の力で土地を耕します。

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その結果、少人数でも農業ができるようになりました。以前より簡単に農業ができるようになったので、一族全員でやらなくていいですよね。そうして、氏族の力は弱まりました。

 また、農作物が余ること(余剰生産物)が起こります。余剰生産物を売るという概念が生まれ、次で紹介する商業の発達へ繫がります。

青銅貨幣による商業の発展

 二つ目に起こったのは商業の発達です。農具に使われていた青銅を使って、青銅貨幣が生まれます。青銅貨幣には刀銭、布銭、半両銭がありました。

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それぞれの形は

刀銭=刀の形

布銭=農具の形

半両銭=今の五円玉のような形

です。

 貨幣が普及したそれぞれの国では、余剰生産物を追い風にして商業が発展しました。

諸子百家の活躍

 春秋戦国時代諸子百家(独創的な思想を説く人たち)が活躍します。混乱の時代に求められたのは、独創的な思想です。


f:id:ruriageha:20210117220111p:plain「まとまった国を作るにはどうしたらいいだろう?」

     「戦いに勝つにはどうすればいいのか?」

などはこの時代の王の悩みでした。

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その悩みを解決してくれる諸子百家は大いにもてはやされます。

 諸子百家で有名なのは孔子が祖となった儒家ですね。孔子仁と礼(思いやりの気持ちを持つことと行動に移すこと)、そして上下関係の重要性を説きます。孟子荀子がさらに教えを発展させました。そうして、後世に大きな影響を及ぼす儒学が生まれました。

 他にも諸子百家

 法家 墨家 道家 兵家 陰陽家

  などがいました。

 もっと詳しく諸子百家について知りたいという方は、こちらがおすすめです。

まとめ

  いかがでしたでしょうか。今回は周王朝

について解説しました。

 今回の記事を参考に世界史の勉強を頑張ってくださいね。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。